炭の性質
木炭の最大の特徴は、多孔性構造で内部面積は木炭1g中テニスコート2〜3面分の持っていると言われています。孔の大きさは、小さなミクロ孔(W<2nm)、中程度なメソ孔(2nm<W<50nm)、大きなマクロ孔(W>50nm)に分類され、これにより多種多様な物質の吸着性があります。また、炭の炭化温度によって孔の大きさは変化します。600℃以下で炭化した場合、孔はマクロ孔が多く、炭化温度が1000℃以上になるとメソ孔が多くなり、それぞれの孔が異なった吸着性能を発揮します。炭ほたるは燃焼温度を低温から高温まで設定し、幅広い吸着性能を持たせています。
炭による物理的改善
保水性・透水性・通気性を高める事により、土壌の排水性をよくし、土壌中に酸素を与えます。また、個結化した土壌を柔らかくし、団粒化を促進し、施肥効力を向上させ、炭の持つ多孔性構造により土壌中の有害ガス、有害物質の吸着も行います。
炭の持つ生物的・科学的要素
1.高温時には地温を下げ、低温時には地温を高め、植物の生育を早め
ます。
2.多孔性構造による、余剰肥料の吸着と保肥能力があります。
3.多孔性構造が有用微生物の住処となり、生物多様性の環境を整え、植
物を元気に生育させ、有害な化学物質も微生物により分解されます。
4.炭のアルカリ性により酸性土壌の中和ができます。
連作障害とは
同じ作物を同じ場所で連作すると、多くの場合作物に病気や栄養障害などが発生します。これが連作障害です。原因は、同じ作物を同じ場所で作り続けると、その作物をターゲットとする病害虫が増殖します。
特定の栄養素を要求する作物では、連作する事により成長するために必要な物質が欠乏し、不要な物質は土中に蓄積されていきます。地中の微生物のアンバランスが生育環境を破壊し、作物に障害を引き起こす。これが連作障害です。
自分で動けない植物が自分の身を守るために出す化学物質で、他の植物の成長を邪魔する等阻害的な作用または成長を促進させる虫を寄せ付けない等の共栄的な作用を及ぼす化学物質の事をアレロパシーと言います。アレロパシーは自分自身に影響を及ぼす事もあり、同一の場所に同じ品目の植物を繰り返し栽培する事によって、土壌中のアレロパシー物質の濃度が高まり、結果的に自らの生育を阻害させてしまいます。これがアレロパシーによる連作障害です。
炭ほたるの連作障害防止効果
土壌中には病害虫や菌類・バクテリヤなど多種多様な微生物等が生息しています。炭ほたるの成分である木炭は無菌で無数の細孔があり、それが有効微生物の生育場所となり、その中で増殖・活性化されます。有効微生物群が豊かでバランスがとれていれば、単一病害菌の大発生を招きにくくなります。連作障害の防止は土質の改善が有効であり、健全な土は土壌生物環境を整える事で土中の生物が作ってくれます。
また、炭の多孔性構造により土壌中のアレロパシー物質を吸着・除去し、植物を元気に生育する事ができます。薬剤による土壌殺菌は薬剤自体も人体には有害ですが、有用な土壌生物も同時に死滅させてしまい、無菌状態ではかえって特定の生物が大繁殖してしまう可能性があります。
残留農薬の吸収効果
作物が吸収しない農薬は徐々に土壌に堆積されていきます。これが残留農薬と言われているものです。炭ほたるは木炭の特徴である多孔性構造であり、無数の大・中・小の多孔で多種多様な分子を吸着する機能を持ち、土壌の100〜500倍の残留農薬を吸着することができます。
重金属(水銀・亜鉛・カドミウム・鉛・砒素等)の有害物質も炭により吸着され、炭により増殖された土壌中の微生物が、その有害物質を分解します。
酸性土壌の中和効果
炭ほたるのPHは約9.0〜9.5のアルカリ性です(PH7.0が中性)。よって、酸性土壌の中和に効果があり、石灰などの鉱物性の中和剤は土を固くしますが、植物性である木炭は逆に土壌の柔軟性や通気性・保水性・透水性を高め、元気な土にします。
肥料使用量の削減効果
肥料が作物を育てるのではなく、土壌中の根圏部の微生物群に栄養を提供し活性化することにより、腐植分の増大を図るとともに作物が摂取しにくい成分を吸収しやすい形に変換してくれるのです。炭ほたるを施用すれば、有効微生物群をさらに活性化させ、保肥力が向上する事により、肥料使用量削減の効果があります。
成長促進効果
炭ほたるの中には、豊富な微量成分の一つとして作物の生長に必要なミネラルがバランスよく含まれています。そのミネラルが作物の元気な成長を促進します。